レジェンドストーリー

STORY.58
2015年下半期レジェンドストーリー特別賞S.K
平成27年 月度 ASA武蔵村山

どしゃ降りのある日の出来事です。
その日は武蔵村山の区域で営業をさせていただいていました。
時刻は夜8時。外は真っ暗で激しさを増す雨音だけがあたりを覆い尽くしています。
その日は1件のご契約はいただいていたのですが、なんとかあと一件は!
とひたすら訪問を続けていました。
そんなとき、あるお宅のインターフォンを押すと、ご主人が出てこられました。
お話を伺ってみるとそのお客様は、以前朝日新聞を読んでいたが、配達のもれや、遅れ、従業員の態度の悪さなどを理由に朝日新聞を嫌いになり、現在は読売新聞を読んでいるというお客様でした。
私は、必死に頭を下げながら、お詫びをし、しばらくお願いをし続けていましたが、ご主人は頑なに、『もう二度と朝日はとらない』というばかりです。
すると、奥の方から奥様も出てこられ、私の方を見ると、みるみる顔色が変わり、今にも怒り出しそうな雰囲気です。私は「さすがにこれ以上お願いするのは逆効果だな」と思い、ご対応をいただいたお礼と、ご機会がありましたらお声掛けいただきたい旨をお伝えし、そのお宅を後にしました。
私は、そのお宅から少し離れたところにある自転車にまたがり、次の訪問先に向かうべく、地図を広げていました。
振り返ると、先ほどのご主人がこちらを無言でじっと見ています。
私はかまわず自転車をこぎだし、少し進んだところに置くと、訪問を開始することにしました。そして、自転車を降りようとしたそのときです。後ろから誰かに声をかけられたのです。振り返るとそこには、先ほどのご主人と奥様が大雨の中立っていたのです。次の瞬間ご主人は『あのあと話し合ったんだけど、君は何も悪くないし、とても頑張っているから、契約するよ』と信じられない言葉を口にするではありませんか。私は耳を疑いながらも、再び家に招かれ、6か月間のご契約をいただくことができました。さらに帰りにはジュースやお菓子などお土産までいただいて、『頑張りなよ!』と見送っていただいたのです。
私は、お客様の温かいお気持ちに触れ、大雨が嘘のように温かい気持ちになり『頑張っていれば、きちんと見ていてくれる人もいるんだなぁ』と思いながら、販売店への帰路につきました。

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