レジェンドストーリー

STORY.35
2013年上半期レジェンドストーリー銀賞T.T
平成25年2月度 ASA関町

ASA関町での話です。その日、販売店に着くといつものように軒並み訪問を開始しました。15時くらいにあるお宅の家にさしかかりました。私はインターフォンを押そうとしましたが見当たりませんでしたので、ドアをノックしてみました。すると60歳ぐらいの奥様が出てこられ「誰だい?」とたずねてきました。僕は朝日新聞のTです、地元でお世話になっております皆様にご挨拶まわりをさせて頂いております。とお辞儀をして粗品をお渡ししました。すると奥様は「うちはずーっと読売だから無理だよ!」とすぐさまお断りモードに突入しましたが、ぼくは「もちろんすぐに呼んでくださいということではないので安心してください」と食い下がりながら何とか会話をつなげていきました。それでも奥様は「読売の人と長い付き合いだしかえられない」の一点張りです。なんとか会話はしているものの、これといった糸口も見つからないまま、会話は平行線をたどりこのままではまずいなと思い始めたそのときです。ふと、奥様の後ろの壁に目をやると、奥様が書いたと思われる書初めが飾ってありました。ぼくは「すごい達筆ですね」といいながら習字のお話を聞いていました。その書初めには左下に奥様のものと思われる名前が書いてありました。そしてその時、あることに気づいたのです。そこには奥様の名前が「恭子」と書かれていたのです。そう、その「恭子」という名前は忘れもしない僕の初恋の女性と同じ名前だったのです。僕はとっさに、「奥様、もしかして恭子さんっておっしゃるんですか?」とお聞きしました。奥さんは突然の事に少し驚きながらも「そうよ、それがどうかしたの?」と聞いてきました。ぼくは、「実は中学生のときの初恋の女の子が恭子って言う名前で奥様と同じ名前だったんですよ」と打ち明けました。すると奥様は「じゃあその子も私と同じで綺麗だったんでしょう」と少し優しい表情で始めて冗談を言ってくれました。「そうですね、とても綺麗な人でした」といいながら「中村恭子っていう子で同級生だったんです。」というと、奥様が急に「えーっ!!」とおどろいたご様子です。僕が「どうしたんですか?」と聞くと奥様は「私も結婚する前は中村だったのよ!」といって大変驚いていて、僕もなんという偶然なのかと思いました。しかも奥様の出身は長崎で僕のお父さんと同じだったのです。その時にはもうなんというか、お互い他人のような気がしなくなっていたのです。僕は「なんか奥様とは不思議なご縁がありますね」というと奥様も「そうねぇ・・・」といって少し考えた後に「仕方ないね、朝日新聞3ヶ月だけとってあげるか」と
おっしゃって頂いたのです。僕はとっさに「ありがとうございます」と言って深々と頭を下げ、粗品をお渡しいました。そのあと、「6ヶ月でいいよ」ということになり、6ヶ月間のご契約をいただきました。

まだ、はく息も凍る、冬の寒さの厳しい日でしたがなんとも不思議なご縁に触れ、心が温まり、はずむ気持ちで次のお宅に向かいました。

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