レジェンドストーリー

STORY.06
2009年下半期レジェンドストーリー金賞 H・I
対象ストーリー
平成21年9月度 

その日、いつものなにげない日常がレジェンドストーリーの幕開けだとは思いもよりませんでした、しかも、あのような形で。
朝9:50『おはようございます』とスタッフのみんなが次々に出勤してきます。
そんななか『おはよう』とテンション低めにあの男が登場しました。そう、その人こそ今日の話の主役、K主任その人です。
いつものように各自自分の会議机に腰をおろし思い思いの時間をすごしていました。朝の平和なひと時です。しかし、そのとき隣の机から『なにげない一言が』耳に飛び込んできたのです。その一言をきっかけに、僕とK主任は仕事のやりかたをめぐり大喧嘩となり、その気持ちを持ち越したまま仕事に入ることになってしまいました。しかし、自分は課長なので仕事はきちんとこなさねばならないという責任感もあり、なんとか平静を装いつつ、いつものように軒並み訪問を開始しました。しかしそんなテンションですからお客様の言葉にいつもより敏感になってしまい、すごい形相だったと思います。そのとき、携帯に着信が。ふと見ると、K主任です。電話に出ると彼の第一声『成約したよ』僕は『ふーん、よかったね』といいました、すると彼は『どうして成約できたかきいてくれよ』といいます。心の中では「こっちはそれどころじゃねーよ」と思いながらも『どうしたの』と聞くと彼は『いやー袋小路でインターフォン押しても出てこない家が何件かあってさ、そこを飛ばして何件か先の家で断られて戻ろうとしたら、さっき出てこなかった家の門のところにおばあちゃんが出てきててさ、急いで戻って話をしてみたら足が悪くて出てくるのに時間がかかったっていうことで、朝日新聞をお願いしてみたんだけど読売新聞を長年ずーっと読んでいるから朝日新聞はどうしても取れないって言われてさ、分かりました足が悪いのにわざわざ出てきていただいてありがとうございましたって言って家の中に入るまで支えてあげたんだ、そしたらそれを見ていたさっき、ぞんざいに断られた奥様があなたちょっと来なさいっていうから何かと思っていってみると、あなた優しいのね新聞の勧誘員なんてろくでもない人ばかりだから相手にしなかったんだけど、あなたみたいな人もいるのね、さっきはごめんね、あなたなら契約してあげるわって言って契約してくれたんだよ。やっぱり拡材だけじゃないよな』とかいいながら彼は興奮しています。僕は「おめでとう」といって電話を切りました。そして、ふと、落ち着いて考えてみると、さっきまで自分がイライラしていたことをすごく反省しました。
そうだよな、お客様が感動してくれてはじめて契約になるんだから、思いやりを持たなくちゃ、数字にとらわれすぎて大事な事がおざなりだったかなぁとたくさん反省していると、ふと、彼とこうして事あるごとに支えあい、励ましあって頑張ってきた2年間がよみがえってきました。あいつがいるからおれがいる、俺がいて、あいつがいる。みんながいて、俺がいる・・・。僕は急にすべてを包み込んでしまうかのような優しい気持ちになり、お客様に誠心誠意、真心で接しようと決意し、インターフォンを押しました。
そのお客様ははじめ『新聞はいらないから』といっておりましたが「ご挨拶だけ」という事で出てきてくださいました。小さいお子様を抱えて出てこられた奥様は、少しお疲れ気味の様子が表情から見て取れます。そして、『新聞は読まないわけではないが、今は子育てに忙しくて読む暇がないからいりません』とおっしゃいます、僕もセールスマンですからいろいろな角度から成約を試みては見ますが、『今は時間もお金もゆとりがないからいりません』とおっしゃいます。僕は「無理強いしても仕方ないな、次のお客様で頑張ろう」と思い、去り際に『奥様、お子様ちいさいですから、2時間ごとにおきなくてはいけないし、寝不足で大変ですよね、お体壊さないようにしてくださいね』と声をかけ門から出ようとしたところ、もう、ほぼ閉まりかけていたドアが再び開いて、奥様が『新聞・・、読んでみようかしら・・』といってくださいました。僕はびっくりしながら『ありがとうございます』というと今度は『3ヶ月だとあまり成績にならないんでしょ?明日から半年でいいなら・・』といってくださいました。僕はびっくりして、そして大喜びでご契約をいただきました。

この契約は、K主任のおかげでいただく事ができました。数字を追いかけていた僕に、お客様を思いやるというやさしい気持ちを思い出させてくれた、いままでも大切なものをたくさんくれた、親友、ありがとう。

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